「SaaS is Dead」は本当か?AIがあればSaaSはいらないということはない

近年、IT業界や一部の経営層の間で「SaaS is Dead(SaaSは終わった)」という言葉がささやかれるようになりました。「これからは生成AIがあるのだから、高いコストをかけてSaaSを入れる必要はない」という極端な見方です。
日本企業のSaaS導入率は約90%に達し、ビジネスのインフラとして定着しました。しかし、弊社(CWJ)にご相談いただくお客様のお話を伺うと、全体の約40%程度の企業が「SaaSを使いこなせていない」という実態が浮き彫りになってきます。
この記事では、AI活用の落とし穴やSaaSの本当の価値を含めて「SaaS is Dead」は本当なのか」について弊社の考えをご紹介します。
この記事を読むとわかること
- 「SaaS is Dead」と言われる背景
- 弊社へのご相談から見えた、約4割の企業が陥る「使いこなせない」具体的な理由
- AIはSaaSの代りになるのか?SaaSは不要なのか?
AI時代にあえてSaaSを使うメリットは?
具体的にSaaSの活用法を知りたい方はワークショップへ
そもそもSaaSとは?

そもそもSaaS(サース)とは、インターネット経経由で利用できる「クラウド型ソフトウェア」のことです。皆様が毎日業務で使うWebメールやチャット、Web会議システム、オンラインストレージなどもすべてSaaSに該当します。
「うちは関係ない」と思われがちですが、実はほぼ全てのビジネスパーソンが無意識のうちにSaaSを活用しています。
なぜ「AIがあればSaaSはいらない」という声が上がるのか?

コストばかりが積み上がり、明確な投資対効果(ROI)が見えづらい。そうした不満が蓄積する中で、近年「SaaSからAIへ」流れる極端なトレンドが生まれています。
その背景にあるのが、「生成AIによるアプリ開発の民主化」です。現在、AIに指示を出せば、非エンジニアでも自社専用の業務アプリやツールを、簡単に自作できるようになりました。
「毎月高いライセンス費を払って既製品のSaaSを使うくらいなら、AIを使って自社専用のシステムを作ればいい(=だからSaaSはもう終わった)」という声が、経営層などから上がり始めているのです。
「AIでアプリを自作すればSaaSはいらない」は本当か?

確かに、AIを使えば簡単なアプリを作ることはできます。しかし、ビジネスの現場においてシステムを「作る」ことは、ほんの始まりにすぎません。
業務として重要なのは、「システムを安全に稼働させ続け(運用・保守・セキュリティ)、トラブルなく業務を遂行できるか」です。
AIは便利ですが、社内システムをAIに任せられるのかは、プロンプトを設計・運用する社員にかかっています。
本当にSaaSは不要なのでしょうか。
AI活用の落とし穴

トラブルも想定した抜け漏れのないシステムをAIで作るなら、できればシステムの専門家を雇用し、日々システムを管理する必要があります。
一見便利なAIですが、素人の設計では以下のような「落とし穴」があるからです。
- AIで自作したアプリがサイバー攻撃を受けときに防御できなかった
- システムがダウンしてデータが消えたときの復旧方法まで設計していなかった
- AIの嘘(ハルシネーション)を見抜けなかった
- 専門家の意見を取り入れていれば起らなかったトラブルが起きた
- AI活用の専門家を雇ったらSaaS導入費用より高くついた
SaaSの本当の価値

SaaSの本当の価値は、目に見えるソフトウェアの機能だけではありません。
その裏側にある「24時間365日の監視体制」「自動で行われるデータバックアップ」「最新のセキュリティアップデート」といった、プロの設計よる強固なインフラストラクチャー(基盤)を含めて提供されている点にあります。
万が一の時の備えを、月額定額費用で契約できることも魅力ですし、外部委託することによって責任の分散ができることもあります。
約4割が陥る「システムを買って満足」する罠

AIよりも効果が出ないと感じてしまう本当の原因は、SaaSという仕組みそのものではありません。日々、ITインフラやセキュリティのご支援をしている弊社の体感として、ご相談いただくお客様の「約4割程度」がSaaSの機能を使いこなせていないと判断しています。
その理由は、「システムを買っただけで満足」し、初期設定のまま放置、時代にあわせた運用の見直しを忘れていることです。
弊社のサービスをご利用されている方の例

例えば、弊社が提供するオンラインストレージ「UltraBox」でも、非常にもったいない使われ方をしているケースが散見されます。
| 実装されている機能 | 実際に使われている機能 |
| ・ 誰がどのフォルダにアクセスできるかの詳細な権限設定 ・ 公開期限の一括設定 ・ ディスク容量の調整 ・ 更新したファイルを保存前のデータに戻す世代管理 ・ ファイルコメントやファイルの種類による検索 ・ 3か国語に対応したブラウザ表示 ・ IP/ドメインアクセス制限 …など多数の機能が実装 | ・ 脱PPAP対策としての単純なファイル送信ツール ・ オンライン上のデータの置き場所 …などの最小限の機能 |
このように、せっかく高度な管理機能があっても、導入後に存在を忘れてしまっていることもあります。
もちろん、わからないことがあれば気軽にご相談いただき、適切な運用のご提案やカスタマイズなどが可能です。
AIはSaaSの代わりにならないのか

結論から申し上げますと、AIはSaaSの代わりにはなりません。
AIはデータをもとに「推論や生成」を行う優れた処理技術です。
しかし、ビジネスの根幹を支える「事実の正確な記録」「ルールの徹底」「24時間365日の安全なインフラ」をシステムとして担保する機能はまだ持っていないからです。
生成AIはアシスタントとして有能な場面もありますが、まだ発展途上の技術です。したがって、現時点では「SaaS is Dead」という極端な見方は現実的ではありません。
今すぐSaaSを解約してAIに乗り換えることではなく、以下の取り組みが有効です。
- 現在導入しているSaaSの初期設定や機能について再確認する
- 眠っている機能を使えるようにカスタマイズする
- AI導入に関しては、専門家と意見交換を行って必要な部分に導入する
SaaSの見直しはCWJへご相談を

日々の業務に追われる中で「自社のSaaSが最適化されているのか判断できない」「もっと有効活用する方法はないか」と、お困りのご担当者様は、ぜひ株式会社サイバーウェイブジャパンへご相談ください。まずは、現状の整理から一緒に始めましょう。
長年にわたり企業のIT環境を支えてきた豊富な経験を持つ弊社では、貴社のお悩みを気軽にご相談いただける無料ワークショップを行っています。
導入のお声がけも歓迎ですが、「まだ何も決まっていない」という状況でご相談いただくことも可能です。すでに、サービスを導入されている方からのご相談もお待ちしております。
この記事のポイント
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1.なぜ「SaaS is Dead」と言われるのか?
「SaaS is Dead(サーズは不要)」と言われる主な背景は、以下の通りです。
- SaaSのコストばかりが積み上がり、明確な投資対効果(ROI)が見えづらくなっているため
- 「AIに指示を出せば自社専用のシステムを自作できるのだから、高いライセンス費を払って既製品のSaaSを使う必要はない」という声が上がっているため
詳しくは「なぜ『AIがあればSaaSはいらない』という声が上がるのか?」をご覧ください。
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2.なぜ SaaSを使いこなせない?
SaaSをいまいち使いこなせず、AIがよく見えてくる主な理由は、以下の通りです。
- システムを買っただけで満足してしまったから
- SaaSの一部の機能しか使っていないため
詳しくは「約4割が陥る『システムを買って満足』する罠」をご覧ください。
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3.AIでアプリを自作すればSaaSは解約していい?
AIで自作したシステムを素人が運用すると、以下のような「落とし穴」があるため、安易な考えでSaaSを解約することは得策ではありません。 主な理由は以下の通りです。
- サイバー攻撃を受けた際の防御や、システムダウン時のデータ復旧ができない
- AIの嘘(ハルシネーション)を見抜けず、トラブルが起きる
- 管理のために専門家を雇うことで、結果的にSaaS導入費用より高くつく
詳しくは「『AIでアプリを自作すればSaaSはいらない』は本当か?」をご覧ください。
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