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添付ファイル経由で狙われやすいツールの特徴とセキュリティ対策

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添付ファイル経由で狙われやすいツールの特徴とセキュリティ対策

メールの添付ファイルやクラウド共有を通じて感染するマルウェアやランサムウェアは、今も企業に深刻な被害を与えています。

特に、業務で日常的に使用されるツールほど攻撃者に狙われやすく、少しの油断で情報漏えいや業務停止につながるケースもあります。

ここでは、添付ファイル経由で狙われやすいツールの特徴と、安全に使うためのポイントを紹介します。

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資料の内容

  • よくあるメール受信のトラブルとその影響
  • 迷惑メール対策を怠ると起こるリスク
  • 業務効率化につながる具体的な対策(ホワイトリスト、脱PPAPなど)
  • メールセキュリティ強化に役立つサービス紹介

狙われやすいツールの特徴

  • 利用者が多く、ファイル形式として選ばれやすい
  • マクロやスクリプトなどの自動処理機能がある
  • メールやクラウド共有を通じて拡散しやすい

WordやExcel、PDFといったファイル形式は、普及率が高く、業務で使われるファイル形式の代表格といえます。利用者が多いということは、それだけ攻撃者にとっても「利用しやすい標的」であるということです。

また、Microsoft Office系のファイルには、マクロやスクリプトのような自動処理機能を埋め込むことができます。本来ならファイルの処理を助けてくれる便利な機能ですが、これを悪用した攻撃が後を絶ちません。
ファイルを開いただけで不正なコードが実行されるケースも報告されています。

「怪しいファイルは開かない」という意識があっても、間違って開いてしまう可能性はゼロではありません。

狙われるツールは使わないほうがいいの?

ランサムウェアなどの攻撃では、Microsoft OfficeやAdobe Acrobatといった有名ツールが狙われがちです。ただし、これは製品に欠陥があるわけではありません。
ほとんどどの企業でも共有できるファイル形式のツールは、適切な利用方法に関する知識を持って使っていくことが大切です。

ツールを使わないという選択は現実的ではない

「狙われるなら使わないほうが安全では?」と思うかもしれませんが、現実的ではありません。他のファイル形式に移行しても、攻撃者も他のファイル形式を使った攻撃に切り替えるだけです。

正しく使い続けることが最も効果的

大切なのは、更新プログラムの適用やセキュリティ設定の見直しによって、常に安全な状態を保つことです。

最新バージョンの利用、マクロ機能の制御、添付ファイルの確認など、日常的な対策がリスクを大きく減らします。
ツール自体は業務の生産性を支える重要な存在です。
リスクを理解し、正しく使い続けることが最も現実的で効果的なセキュリティ対策になります。

狙われがちなツールと対策

ここでは、メール添付や共有ファイルでよく使われるツールと、その特徴と対策をまとめました。

Microsoft Office(Word / Excel / PowerPoint)

オフィスワークを行う上で、使ったことがない方はほとんどいないと思われるツールです。文書作成や表計算、プレゼン資料作成など、業務の基本作業で広く使われています。そのため、メール添付で送受信されることも多く、マルウェアやランサムウェアの攻撃への対策が欠かせません。

狙われる理由

  • 業務利用率が高く、メール添付で受け取る頻度も多い
  • マクロや埋め込みオブジェクトを悪用した攻撃がある
  • 開くだけでスクリプトが動作するケースがある

対策

  • マクロは既定で無効化、署名付きマクロのみ許可
  • 添付ファイルはメールゲートウェイで自動検査
  • 「開く前にプレビューで内容を確認する
  • 差出人が不明確である場合や文章が不自然なメールの添付ファイルは開かない

添付ファイルをプレビューする方法の一例

● Windowsエクスプローラーの場合

ファイルを選択した状態で(開かないように注意)、右側の「プレビューウィンドウ(Alt+P)」を表示すれば、ファイルの内容を確認できます。
WordやExcelの最初のページや表の一部が見えるので、活用しましょう。

Microsoft Outlook

企業で標準的に使われるメールクライアントです。添付ファイルやリンクの受信窓口として日常的に利用されます。

狙われる理由

  • 添付ファイルやURLを開く“入口”となる
  • HTMLメールや自動プレビューを悪用される可能性
  • 偽装メールやスパムの踏み台にされやすい

対策

  • HTMLメールの自動読み込みを無効化
  • 外部コンテンツのブロック設定を有効化
  • 重要メールは二重確認ルールを設ける

Outlookのプレビュー機能を使用する際の注意点

Outlookでは、メール本文の右側や下部にある「プレビューウィンドウ」で、添付ファイルを開かずに中身を確認できます。
ただし、自動プレビュー機能は便利な反面、HTMLメール内の外部コンテンツを読み込む際に、不正アクセスや情報漏えいを引き起こすリスクがあります。
安全のため、HTML自動読み込みをオフに設定し、不審なメールはプレビューせず削除する運用を徹底しましょう

Adobe Acrobat Reader

契約書や報告書など、PDF形式の文書を閲覧・編集するためのソフトです。PDF自体ではなく、Adobe Acrobat Reader側の脆弱性を悪用されるケースがあります。

また、PDFは業務文書としてメール添付される機会が多く、「安全な形式」と誤解されやすい点にも注意が必要です。

狙われる理由

  • PDFは安全と誤解されやすく、つけ込みやすい
  • スクリプトやリンク埋め込みを悪用される
  • 業務上の請求書や契約書などさまざまな文書で添付されやすい

対策

  • 常に最新版に更新し、自動アップデートを有効化
  • PDF内のJavaScriptを無効化
  • 不審なPDFはサンドボックス環境で開く

ZIPファイル(圧縮ファイル)

複数のファイルをまとめて送受信できる圧縮形式です。メール添付でも頻繁に利用されます。
ZIPは便利ですが、中に.exeやマクロ付きファイルがあると、解凍して開いた瞬間に悪意あるプログラムが実行される危険性があります。

狙われる理由

  • パスワード付きZIPでウイルス検知を回避する手口がある
  • 「パスワードは別メールで送ります」という偽装が多い

対策

  • パスワード付きZIPの送受信を社内で原則禁止(脱PPAP)
  • メールゲートウェイで自動展開・スキャンを実施
  • 正規送信者確認(目視とDMARCなどの認証を併用)

OneDrive やGoogle Workspaceなどの共有リンク

添付ファイルの代わりにファイルをクラウドに置き、リンクを共有するファイル共有形式で、脱PPAP対策としても有効なファイル共有手段です。

代表的なクラウドサービスには、OneDriveやGoogle Workspace、Dropbox、Box などがあります。社内外でのファイル共有に非常に便利で、メール添付よりも容量制限やバージョン管理の面でメリットがあります。

このようなクラウドサービスは、正しい設定や運用ルールを守れば、安全に利用できます。

狙われる理由

  • 添付ファイルの代替としてリンクが使われ、リンクURLが外部に流出するリスクがある
  • 偽装リンクでマルウェア配布ページに誘導される場合がある

対策

  • リンク共有時にアクセス権を限定
  • 送られてきたURLはリンクを開く前に送信者を確認
  • クラウド上のファイルスキャンを有効化

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便利なツールは運用を見直して安全に利用

便利なツールは、設定や運用の隙を狙われることで攻撃に利用されることがあります。添付ファイル経由の攻撃も同様で、ツール自体の問題よりも利用者の管理や運用がポイントです。

本記事でご紹介した「対策の基本」はこちらです。

  • 定期的にソフトウェアをアップデート
  • ファイルの自動実行を制限
  • 受信メールや添付ファイルを開く前に確認ルールを徹底

これらの基本ルールを守ることで、多くのサイバー攻撃を防ぎ、安全にツールを活用できます。
添付ファイルやメール送受信のセキュリティ強化については、株式会社サイバーウェイブジャパンにお気軽にご相談ください。

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この記事のポイント

  • 1.狙われやすいツールの特徴とは?

    ユーザーがAIでメールをチェックするメリットは以下の通りです。

    • 利用者が多く、ファイル形式として選ばれやすい
    • マクロやスクリプトなどの自動処理機能がある
    • メールやクラウド共有を通じて拡散しやすい

    詳しくは「狙われやすいツールの特徴」をご覧ください。

  • 2.狙われるツールは使わないほうがいい?

    • 攻撃対象になるのはツールそのものではなく、利用者の設定や運用の隙
    • 他のファイル形式に切り替えても攻撃は回避できない
    • 正しく使い続けることが最も現実的なセキュリティ対策

    詳しくは「狙われるツールは使わないほうがいいの?」をご覧ください。

  • 3.狙われがちのツールを安全に使うには?

    業務でよく使われる便利なツールは、設定や運用の隙を狙った攻撃に利用されることがあります。安全に利用するためには、以下の基本対策が重要です。

    • 定期的にソフトウェアをアップデート
    • ファイルの自動実行を制限
    • 受信メールや添付ファイルを開く前に確認ルールを徹底 など

    詳しくは「狙われがちなツールと対策」をご覧ください。

  • 4.国産クラウドサービス「UltraBox」のメリットは?

    株式会社サイバーウェイブジャパンが提供する、国産クラウドサービス「UltraBox」のメリットは以下の通りです。

    • 国内データセンターでデータを管理し、国内運用体制を整備
    • 安全に配慮したファイル共有、アクセス権管理、バージョン管理を実現
    • PC・スマホ・タブレットから利用可能で、脱PPAP対策にも有効

    詳しくは「国産クラウドサービスについて」をご覧ください。

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  • 迷惑メール対策を怠ると起こるリスク
  • 業務効率化につながる具体的な対策(ホワイトリスト、脱PPAPなど)
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この記事の編集者
CWJ編集部

インターネットデータセンターの運用から、クラウドサービスの提供まで行う株式会社サイバーウェイブジャパン(CWJ)のWeb担当者。
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