公開日:

情報漏洩に注意!AIでメールの文章の作成やチェックを行うときの注意点

ツイッター フェイスブック はてなブックマーク
情報漏洩に注意!AIでメールの文章の作成やチェックを行うときの注意点

ChatGPTなどの生成AIを使えば、メールの文面を一瞬で添削・改善できるようになりました。ビジネスメールの誤字脱字、敬語の使い方、トーンの調整など、これまで人の手で確認していた作業を自動化できる点は大きなメリットです。

しかし、便利な一方で「情報漏洩」のリスクがあることも忘れてはいけません。
そのため、以下のような設定や配慮をすることが大切です。

  • ChatGPTの「履歴と学習」をオフに設定する
  • 固有名詞・機密情報をAIに入力しない
  • 社内ガイドラインを設けてルール化する

ここでは、AIで送受信メールの文面をチェックする際に注意すべきポイントと、情報漏洩を防ぐための具体的な設定やプロンプトを解説します。

メールセキュリティ対策のためのお役立ち資料のダウンロードはこちらから

資料の内容

  • よくあるメール受信のトラブルとその影響
  • 迷惑メール対策を怠ると起こるリスク
  • 業務効率化につながる具体的な対策(ホワイトリスト、脱PPAPなど)
  • メールセキュリティ強化に役立つサービス紹介

ChatGPTなどAIでメールをチェックするメリット

まずは、AIを使うことで得られる主なメリットを整理しておきましょう。

  • 誤字脱字や文法のチェックが一瞬でできる
  • 敬語・トーンなどの表現を統一できる
  • 社外向けメールの失礼な表現を防げる
  • メール文面を自動で要約・言い換えできる

特に、日々大量のメールを送る営業担当者やサポート担当者にとって、AIによる文章チェックは大きな効率化につながります。
ただし、これらの恩恵を受けるためには「安全な使い方」を徹底することが前提です。

情報漏洩リスクが生まれる仕組み

AIにメール内容を入力するということは、その文章データをAIに学習させるということでもあります。
つまり、AIがクラウド上で動作している限り、入力した情報は「外部サーバーに渡る」仕組みです。
ChatGPTを提供するOpenAIをはじめ、多くのAIサービスではプライバシー保護の仕組みを整えていますが、入力内容がAIの学習データに使われることを許可する設定も存在します。

この設定を把握していないまま社外秘情報を入力してしまうと、

  • 取引先名
  • 顧客情報
  • 未発表プロジェクト内容
  • 社内システム名

などが意図せず共有・分析対象になるおそれがあります。

AIに情報を学習させないようにする方法

ChatGPTやPerplexity、Google Geminiに機密情報を学習させないために、AIの設定変更が必要です。各種AIの設定について簡単にご紹介しますので、ご活用ください。
企業利用や業務メールの確認を行う際は、この設定を必ず確認しておきましょう。

ChatGPTの設定で「共有をオフ」にする

ChatGPTには、利用データを学習に使うかどうかを制御できる設定があります。
ここをオフにしておくことで、入力した内容が今後のAI学習に使われることを防げます。

設定手順(ChatGPTの場合)

1.画面左下の「設定」をクリック
2.「データコントロール」を選択
3.「すべての人のためにモデルを共有する」をオフにする

この設定をオフにしておくと、チャット内容が学習に使われなくなり、AIの内部で再利用されるリスクが大幅に減ります。

Perplexity(パープレキシィ)の場合

Perplexityでは、左下にある「アカウント」から入る設定の「AIデータ保持」をオフにすることで、入力内容が保存されにくくなる設定があります。利用前に設定画面を確認しましょう。

設定手順(Perplexityの場合)

1.左下の「アカウント」のアイコンから「設定」を開く
2.「人工知能」の「AIデータ保持」をオフにする

Google Gemini(グーグル・ジェミニ)の場合

Geminiでは、ユーザーのチャット履歴やアクティビティを保存しないように設定できます。
ただし、この設定がオフの場合でも、チャットは 72 時間保存されます。オフにする前のデータは保存されていますので、必要に応じて削除します。

設定手順(Geminiの場合)

1.Geminiの左下の設定から「アクティビティ」を開く
2.アクティビティの保存をオフにする

AIに情報を漏洩させないための実践テクニック

AIの学習設定をオフにするだけでなく、入力する内容そのものをコントロールすることも重要です。

次のようなテクニックを意識することで、より安全にAIを活用できます。

1.固有名詞を伏せて入力する

顧客名や社名、部署名などは実名を入力せず、以下のように置き換えましょう。

  • 「〇〇株式会社」→「A社」
  • 「営業部 佐藤様」→「取引先担当者様」

2.ダウンロードURL、パスワードは入力しない

添付ファイルのダウンロードURLとともに、重要情報を含む資料をパスワードとともに共有してしまうと、情報漏洩のリスクが高まります。
「ここにURLが入ります」「ここにパスワードを掲載します」など、別の文言に置き換えておきましょう。

3.公開前提で扱う意識を持つ

AIの学習設定をオフにした上で、メール文面をAIに貼り付けるときは、「これが万が一社外に漏れても問題ないか?」を必ず自問してください。
また、AIによる回答が100%正しいとは限りません。AIは参考程度に活用し、最終チェックは必ず人の目で行うことが大切です。

4.社内ルール確認・ブラッシュアップする

AIを利用する前に、社内ガイドラインを確認しましょう。ガイドラインが存在しない場合は、上長の許可を取ってから利用することをおすすめします。

その際は、以下の内容について確認するようにします。

  • AIを利用してよい範囲
  • 入力禁止情報(顧客名・個人情報など)
  • AI利用の承認フロー

また、AIサービスは常にアップデートされます。そのため、社内ルールもAIの仕組みやサービス内容の変化に合わせて定期的にブラッシュアップする必要があります。

AIチェック活用プロンプト例

実際に、安全を確保しつつ「AIでメールをチェックするためのプロンプト」の一例を紹介します。

送受信メールに重要顧客の情報や固有名詞などの機密情報が含まれる場合は、「A社」「担当者名」「●●サービス」などに置き換えることをおすすめします。

例:送信メールのテキストチェックをAIに依頼する場合

以下のメールタイトルと文面を確認してください。
誤送信につながる内容や失礼な表現がないか、一般的なビジネスマナーの観点で指摘してください。

例:受信メールのチェックをAIに依頼する場合

以下のメールタイトルと文面、送信元のアドレスを確認してください。
フィッシングメールやなりすましメールなど、迷惑メールの可能性がないか教えてください。

社内でのAI活用を安全に進めるポイント

AIを業務に取り入れる際は、IT部門や情報セキュリティ部門と連携し、次のような点を整理しておくとよいでしょう。

  • AIツールの利用目的と範囲を明確にする
  • 利用履歴を定期的に確認
  • 新しいAIツール導入時は情報管理担当がレビューする

AI活用は、個人の判断だけで行うと、情報漏洩リスクが見落とされがちです。部署をまたいだルール策定と教育をセットで行うことが、安全なAI導入の第一歩です。

株式会社サイバーウェイブジャパンでは、送受信メールを先進的なシステムでチェックするさまざまなクラウドサービスを展開しています。
Microsoft 365やGoogle Workspaceご利用の方、または新たなクラウドメールシステムをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。

株式会社サイバーウェイブジャパンでは、専門コンサルタントによる無料ワークショップも実施。 貴社の課題解決に適合するメールセキュリティ対策をご提案します。

お問い合わせはこちらお問い合わせはこちら

この記事のポイント

  • 1.ユーザーがAIでメールをチェックするメリットは何か?

    ユーザーがAIでメールをチェックするメリットは以下の通りです。

    • 誤字脱字や文法のチェックが瞬時にできる
    • 敬語やトーンなど表現を統一できる
    • 社外向けメールの失礼な表現を防げる
    • メール文面を自動で要約・言い換えできる
    • 日々大量のメールも効率的にチェックできる

    詳しくは「ChatGPTなどAIでメールをチェックするメリット」をご覧ください。

  • 2.ユーザーがAI利用時に情報漏洩を防ぐにはどうすればいい?

    ユーザーがAI利用時に情報漏洩を防ぐ方法は以下の通りです。

    • AIの学習設定をオフにする
    • 顧客名や社名などの固有名詞を伏せて入力する
    • 添付ファイルのダウンロードURLやパスワードは入力しない
    • 送受信メールをAIに入力する際は、公開前提で扱う意識を持つ

    詳しくは「AIに情報を漏洩させないための実践テクニック」をご覧ください。

  • 3.AIを安全に業務で活用する方法は?

    ユーザーがAIを安全に業務で活用する方法は以下の通りです。

    • AI単体ではすべてのリスクを防げないため、人の目で最終確認を行う
    • 社内ルールや承認フローを整備する
    • 部署横断でのルール策定と教育をセットで行う
    • AIツール導入時は情報管理担当がレビューする

    詳しくは「社内でのAI活用を安全に進めるポイント」をご覧ください。

株式会社サイバーウェイブジャパンでは、メール送受信の安全性を高めるためのさまざまなサービスをご提案しています。お気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちらお問い合わせはこちら

メールセキュリティ対策のためのお役立ち資料のダウンロードはこちらから

資料の内容

  • よくあるメール受信のトラブルとその影響
  • 迷惑メール対策を怠ると起こるリスク
  • 業務効率化につながる具体的な対策(ホワイトリスト、脱PPAPなど)
  • メールセキュリティ強化に役立つサービス紹介
この記事の編集者
CWJ編集部

インターネットデータセンターの運用から、クラウドサービスの提供まで行う株式会社サイバーウェイブジャパン(CWJ)のWeb担当者。
クラウドメールやデータ運用に関する弊社の知識を生かし、皆様のお役に立つ情報を発信しております。

クラウドメールの導入でお困りの方は弊社にご相談ください。
サイバーウェイブジャパンは、全国のお客様に対応しております。

クラウド導入に関するご相談など、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちらお問い合わせはこちら