AIでメールをチェック!送信前・受信時に使えるプロンプト5選

メールはビジネスに欠かせないツールですが、送信ミスやフィッシング被害は後を絶ちません。誤字脱字や敬語の誤り、添付忘れなどの小さなミスも、信用失墜や情報漏洩といった重大な事故につながる可能性があります。そのため、送受信時の入念なチェックは欠かせません。
そこで活用できるのが、無料で使える生成AIです。ChatGPTなどを利用すれば、誤送信防止のための文章校正や、不審なメールの判定などを簡単に行えます。大量のメールチェックには向きませんが、重要なメールや日々のメールの確認には十分役立ちます。
本記事では、送信前・受信時に活用できる便利なプロンプト5選をご紹介します。コピペしてAIに入力するだけで使えるので、ぜひ日常業務に取り入れてみてください。
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メールのAIチェックで使う「プロンプト」とは?

AIに対して「こうしてほしい」と伝える命令文のことをプロンプトと呼びます。質問文や指示文の形式で入力することで、AIが意図に沿った回答を返してくれます。
例えば「このメールの文章を敬語チェックして」と指示すれば、敬語の誤りを指摘してくれます。難しい専門用語を覚える必要はなく、普段の会話のように書けば問題ありません。まずはこの記事で紹介するプロンプトをコピペで使い、慣れてきたら業務に合わせてアレンジしてみましょう。
送信前のメールチェックに使えるプロンプト

まずは、送信前のメールをチェックしてみましょう。送信前のメールでチェックすべき項目は以下の通りです。
- 宛名や本文の誤字脱字がないか
- 文章の不自然さがないか
- 添付忘れがないか
- 添付ファイルと本文中に記述されている添付ファイル名が一致しているか など
1.誤字脱字チェック

文章の基本は「正しい日本語」を使うことです。誤字脱字は信頼性を損なう原因になります。宛名をはじめ、紛らわしい漢字や言葉の誤った使い方などをチェックしましょう。
プロンプト例:
「あなたは文章のプロです。以下のメール文面に誤字脱字がないか確認し、あれば修正案も提示してください。」
2.文章チェック(ビジネスマナー)

誤字脱字が「文章の正確性」に関わるのに対し、こちらは「表現や印象の適切性」に注目します。ビジネスメールにおいて、丁寧さや言葉遣いは相手への印象を大きく左右します。失礼がないか、誤った言葉遣いをしていないか、AIに確認してもらいましょう。
しかし、AIは文脈を誤解することもあるため、AI任せにせずに補助的に利用することに留めることが大切です。
プロンプト例:
「あなたはビジネスマナーに詳しい文章のプロです。以下のメール文面が適切か確認し、敬語や表現の改善点があれば修正してください。」
3. その他・メールのミスのチェック

宛先間違いや添付忘れなど、形式的なエラーも見逃せません。AIに確認させることで、ミスの見落としを減らせます。
宛先間違いや添付漏れ、さらに機密情報の誤送信を防ぐ場合、テキストをAIに貼りつけるより、スクリーンショットを貼り付けたほうが簡単にチェックできますが、機密情報の有無や個人情報が含まれるため、「AIに学習させない設定」に変更する必要があります。
プロンプト例:
「あなたはメールチェックのプロです。以下のメール文面を確認し、宛先(TO/CC/BCC)の使い分け、添付ファイルの有無、機密情報の有無、失礼な表現がないか指摘してください。」
スクリーンショットの撮り方
Windows / Mac 共通(範囲指定)
- Windows + Shift + S(Mac は Command + Shift + 4)を押す
- 画面が少し暗くなるので、チェックしたい範囲をドラッグで選択
- 範囲がクリップボードにコピーされるので、そのまま ChatGPT に貼り付け
受信したメールのチェックに使えるプロンプト

メールを受信した際も、安心して業務を進めるためにはチェックが欠かせません。特にフィッシングメールや迷惑メールは、見た目だけでは判断しづらく、うっかり開封すると情報漏洩やマルウェア感染のリスクがあります。
ここでは、AIを活用して受信メールを確認する際に使えるプロンプトを紹介します。文章やリンク、送信元の不審な点をチェックすることで、危険なメールを未然に防ぎましょう。
ただし、AIがすべてを見破れるとは限りませんので、こちらも補助的に利用していく前提で使用します。
1. 迷惑メールチェック(フィッシングメール)

フィッシングメールは見た目が本物そっくりなため、個人では判別が難しいこともあります。AIに内容を解析させると、不自然な点や疑わしい箇所を指摘してもらえます。
疑わしいポイントの例
- 送信元メールアドレスが公式ドメインと微妙に異なる
- 文面に不自然な日本語や違和感のある敬語表現がある
- 急いで操作を促す表現(「至急確認してください」「〇時間以内に対応」など)
- 本文に不審なリンクや添付ファイルが含まれている
プロンプト例:
「以下のメール文面が迷惑メールやフィッシングメールの可能性があるか判定してください。疑わしい箇所や根拠も教えてください。」
※生成AIによるチェックは、すべての迷惑メールに対応できるわけではありませんのでご注意ください
2. なりすましメールのチェック

ドメインを偽装した「なりすましメール」も増えています。送信元のアドレスの解析や、表現の特徴をAIに見てもらうと安心です。
なりすましメールで疑わしいポイントは以下の通りです。
- 送信元ドメインが公式に似せてあるが微妙に違う
- 件名や本文が過剰に緊急性を煽る表現になっている
- 宛先に自分以外の知らない人が含まれている
プロンプト例:
「以下のメールがなりすましの可能性があるか確認してください。不自然な日本語や偽装の可能性があれば指摘してください。」
※生成AIによるチェックは、すべてのなりすましメールに対応できるわけではありませんのでご注意ください。
プロンプトを活用するときの注意点

AIは便利ですが、利用する際には以下の点に注意が必要です。
- AIの回答はあくまで参考情報
- 機密情報や社外秘データは入力しない
- 人間による最終確認が必須
AIのチェック結果は必ずしも正確ではないため、最終的な判断は人間が行う必要があります。
また、外部サービスに機密情報をそのまま貼り付けると情報漏洩のリスクがあります。AIの設定の確認と、実際の案件情報は省略したり置き換えたりして利用してください。
AIを活用する際も、必ず人間によるダブルチェックを行うことで、安全に活用できます。
プロンプトを効果的に使うコツ

プロンプトの精度を高めるには工夫も大切です。
- 具体的に伝える
- 宛先や添付も含める
- テンプレ化して使う
プロンプトには、チェックしたい項目を具体的に書くほどAIの精度が向上します。文章だけでなく、宛先や添付ファイル、情報漏洩リスクなども指示に含めると、より実務に即したチェックが可能です。
また、よく使うプロンプトはメモやテンプレートとして保存しておくことで、繰り返し利用でき、業務効率も高まります。
多くのメールをチェックするならシステム導入もおすすめ

AIを活用したメールチェックは、誤送信やフィッシングのリスクを減らす有効な手段です。しかし、送受信メールの量が多い場合や、人的コストを下げて業務を効率化したいという場合には、メールの判別機能が備わったシステムの導入も有効です。
株式会社サイバーウェイブジャパンでは、便利なクラウドメールの「CWJ Secure One」やMicrosoft 365 / Google Workspaceをご利用の方に向けたサービス「ダントツセキュリティ」などを展開しています。
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この記事のポイント
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1.メールチェックを行うためのプロンプトとは?
AIに指示する「プロンプト」を使えば、メールの安全チェックが簡単に行えます。プロンプト活用で可能なことは以下の通りです。
- メール文面の誤字脱字チェック
- 敬語や表現など文章の適切性チェック
- 添付ファイル名やリンク表記の不自然さの確認
- スクリーンショットを使った宛先や添付ファイルのチェック
詳しくは「メールのAIチェックで使う「プロンプト」とは?」をご覧ください。
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2.送信前のメールはどこをチェックすべき?
送信前に確認すべき項目は以下の通りです。
- 宛名や本文の誤字脱字
- 文章の不自然さ、ビジネスマナー
- 宛先(TO/CC/BCC)の正しい使い分け
- 添付忘れや添付ファイル名の不一致
- 機密情報の誤送信防止
上記についてチェックするプロンプトを入れて、メールをチェックしましょう。ただし、AIによるチェックは補助に留め、最終的には人が確認することが大切です。
詳しくは「送信前のメールチェックに使えるプロンプト」をご覧ください。
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3.受信したメールはどう確認すれば安全?
受信メールのチェックで重要なポイントは以下の通りです。
- 迷惑メール・フィッシングメールの判定
- 不自然な日本語や違和感のある敬語表現の検知
- 急ぎを煽る文面の確認
- 本文内の不審なリンクや添付ファイルの確認
- なりすましメールの送信元ドメインや宛先確認
しかし、生成AIによる簡易チェックは完璧なモノとは限りません。最終判断は自分自身が行うこととなります。
詳しくは「受信したメールのチェックに使えるプロンプト」をご覧ください。
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