「メールをクラウドに移行したいけれど…」導入を阻む“5つの不安”と解決策

近年、企業の情報システムはクラウド利用が急速に進んでいます。社内文書管理やグループウェアと並んで、メールシステムもオンプレミス型からクラウド型へ移行する流れが強まっています。
一方で、検討の場では「移行コストが大きいのではないか」「セキュリティは大丈夫なのか」「いまの仕組みで十分ではないか」といった不安の声が多く聞かれるのも事実です。メールは企業の基盤業務に直結する重要なシステムだからこそ、慎重になるのは当然といえるでしょう。
本記事では、メールのクラウドサービス導入検討時に企業が抱きやすい5つの不安を整理し、それぞれに対応する解決策を提示します。
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第1の不安:既存システムの改修コスト

長年利用してきたオンプレミスのメール環境を刷新し、クラウドに完全移行するとなると「システム全体の改修や入れ替えが必要になり、大規模な投資が発生するのでは」と考える企業は少なくありません。
さらに、過去のメール資産の移行や、既存の業務システムとの連携対応までの業務コストが膨らむのではという心配もあります。
解決策:早い段階で見積もりを取り、段階的な導入から始める

クラウドメールへの移行コストは、早い段階で見積もりを取ることで明確になります。事前に費用感を把握しておくと、現実的な移行計画を立てやすくなります。
また、移行は一度に全社で行う必要はありません。段階的な導入例は以下の通りです。
- 一部部門で試験導入:運用実績を確認して問題点を改善
- バックアップ用途での利用:既存メール環境の安全性を確保
- 段階的な拡大:運用が安定した部門から順に導入範囲を拡大
この方法により、急なコスト負担や業務への影響を最小限に抑えつつ、クラウドメールへのスムーズな移行が可能です。
第2の不安:クラウドメールのセキュリティへの懸念

「大事なメールデータをクラウドに置いて大丈夫なのか」「万が一漏洩したらどうするのか」といったセキュリティ面の不安は、企業担当者にとって非常に根強いものです。
特に外部からの不正アクセスや、社内での誤送信など、人為的ミスによる情報漏洩リスクが大きな壁となっています。
解決策:高度なセキュリティ機能で安全性を確保

クラウド型メールサービスでは、オンプレより高度なセキュリティ機能が標準搭載されています。
- 通信・保存データの暗号化
- 多要素認証によるアクセス制御
- 誤送信防止機能
- 24時間体制での脅威監視と定期的なセキュリティアップデート
これにより、自社単独で運用する場合よりも安全性を大幅に向上させることが可能です。
第3の不安:クラウドメールのネットワーク安定性

「クラウドに移した途端、通信障害でメールが使えなくなるのでは」との不安は、多くの企業担当者が抱くものです。メールは社内外とのコミュニケーションを支える生命線であり、数時間の停止でも取引や信頼に直結します。そのため、可用性の低下を懸念するのは自然なことです。
解決策:冗長化とSLA保証で高可用性を確保

クラウドサービスでは、ネットワークの安定性を確保する仕組みが整っています。
ここでいう「冗長化」とは、システムを複数に分散・二重化しておき、1つが故障しても別の仕組みが自動的に稼働する仕組みのことです。
- 複数のデータセンターにシステムを分散
- 障害発生時に自動的に切り替え
- SLA(サービス品質保証契約)による稼働率保証で、高い可用性を実現
ただし、実際の可用性や保証内容はサービスによって異なります。サービスを選定する際には、必ずSLAの契約内容を確認することが重要です。
このような仕組みにより、オンプレ環境を自前で維持する場合よりも、安定したメール運用が可能となるケースが多くあります。
第4の不安:「必要ない」との声(46.0%)

実際の企業アンケート調査では、「現状で困っていない」「クラウドにする必要がない」といった理由で導入を見送るケースが依然として多く見られます。目先の業務が回っている場合、新しいシステムに切り替える必要性を感じにくいのが、現場や経営層の本音でしょう。
解決策:取引先対応や法令遵守の観点で必要性が高い

総務省の調査(「令和6年 通信利用動向調査(企業編)」図表 3-6)によれば、クラウドサービスを利用しない理由として46.0%の企業が「必要がない」と回答しています。しかし、実際には以下の理由でクラウドメール導入の必要性が高まっています。
- 規制対応:電子帳簿保存法などの法令遵守が求められる
- 取引先対応:安全なデータ共有や業務連携の必要性
- 業務効率化:クラウドサービスを活用した運用改善
このように、「必要ない」との認識は一時的であり、今後は競争力やコンプライアンスを維持するためにも、クラウドメールへの移行が避けられない状況です。
第5の不安:クラウドメールのメリットが見えにくい

クラウドに移行しても、「日々の業務がどの程度改善されるのか」「本当に投資に見合うのか」が経営層に伝わりにくいことがあります。特に、サーバ運用や障害対応は自社で対応する必要があるのでは、という懸念があるかもしれません。
しかし、クラウドメールでは運用を外部委託することが可能です。そのため、サーバの入れ替え投資が不要になり、夜間呼び出し対応も減るなど、運用負荷を大幅に軽減できます。
解決策:成功事例や運用効率化の説明を用意

クラウドメール移行の効果は、コスト削減だけにとどまりません。以下の観点でメリットをアピールすることが、クラウドメール導入への第一歩となります。
- 運用負荷の軽減:メールサーバのメンテナンスや障害対応の負担が減り、担当者が本来業務に集中できる
- セキュリティ強化:誤送信や情報漏洩リスクを低減
- 投資効率の向上:外部委託により、サーバ入れ替え投資が不要になり、夜間呼び出し対応も減少するなど、コストカットをアピール
また、株式会社サイバーウェイブジャパンのDL資料「メールセキュリティ対策のためのお役立ち資料」もぜひご覧ください。
メールのクラウド移行は“最初の一歩”に最適

クラウド導入には不安が伴いますが、段階的な導入や高度なセキュリティ対策、安定した稼働保証が整っている今、そのハードルは過去よりも大幅に下がっています。
メールは社内外をつなぐ最も重要なコミュニケーション基盤であり、運用負荷も大きいシステムです。そのため、メールのクラウド化はクラウド活用の“最初の一歩”として最適です。
株式会社サイバーウェイブジャパンでは、初めてクラウドメールを利用する方や、すでにクラウドメールをご利用の方に対するメールセキュリティ支援などを行っています。
無料ワークショップを行っておりますので、貴社の課題をお伝えください。さまざまなクラウドサービスから、貴社に適したサービスをご案内します。

この記事のポイント
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1.クラウド移行のコストはどうやって把握する?
クラウドメール移行の際は、まず見積もりを取り、段階的に運用を拡大していくことが大切です。費用感や使用感を事前に把握することで、現実的な費用を見極め、移行計画を立てていきましょう。
【クラウドメール移行の手順】
- 早めにベンダーから見積もりを取得
- 一部部門で試験導入して運用実績を確認
- バックアップ用途から段階的に拡大
詳しくは「第1の不安:既存システムの改修コスト」をご覧ください。
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2.クラウドメールは本当に安全なの?
クラウドメールにはオンプレより高度なセキュリティ機能が標準搭載されており、メールの安全性を高められます。メールセキュリティのプロに委託することで、最新の脅威にも対応可能になります。
【クラウドメールに備わっている主なセキュリティの例】
- 通信・保存データの暗号化
- 多要素認証やアクセス制御
- 誤送信防止や24時間脅威監視
詳しくは「第2の不安:クラウドメールのセキュリティへの懸念」をご覧ください。
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3.クラウド移行で運用負荷やコストは減るの?
クラウドメールは運用を外部委託することで、サーバ管理や障害対応の負担を大幅に軽減できます。特に、作業コストの削減を実現します。
- メールサーバのメンテナンスや夜間呼び出しの削減
- 誤送信や情報漏洩リスクの低減
- サーバ入れ替え投資不要による投資効率向上
詳しくは「第5の不安:クラウドメールのメリットが見えにくい」をご覧ください。

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インターネットデータセンターの運用から、クラウドサービスの提供まで行う株式会社サイバーウェイブジャパン(CWJ)のWeb担当者。
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