AIによるメール詐欺に注意!~進化する脅威に負けないために~

昨今、人工知能(AI)技術が飛躍的に進化し、私たちの生活やビジネスに多大な恩恵をもたらしています。しかし、その一方で、悪意を持つ第三者がAIを悪用し、新たな脅威を生み出しているのも事実です。
特にメール詐欺の分野では、AIによる詐欺メールの生成が急速に進み、さまざまなパターンの迷惑メールの文章を巧妙に生み出し、企業や個人を狙っています。
本記事では、AIを活用したメール詐欺の現状と手口、リスクの詳細、そして防御策として有効な対策を解説いたします。
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AIによるメール詐欺とは?

AIを活用したメール詐欺とは、人工知能技術を用いて人間が書いたかのように自然で説得力のある詐欺メールを自動生成し、ターゲットに送信する手法です。
従来の詐欺メールは、誤字脱字や不自然な文章が多く、受信者に違和感を与えていました。しかし、AIは膨大なデータを学習し、自然な文章構造や適切な語彙を用いて、一見、人間が書いた文章と見分けがつかないほどの完成度を実現しています。
メールの送受信数が多い企業では、システムに頼って詐欺メールを排除していくことが業務効率化のカギになります。
最近のAIが作り出す詐欺メールの特徴

• 高度で自然な文体
• 個人情報の活用によるターゲティング
• リアルタイムの自動応答ボット
AIに役員や取引先が送信する一般的なメールを学習させることで、トーンや口調まで細かく再現することが可能になります。その上、SNSやインターネットの公開情報を基に、ターゲットの趣味嗜好や最近流行の話題などを取り入れ、自然な文体に見せかけるため注意が必要です。
また、リアルタイムの自動応答ボットも、少しのプログラミングの知識があれば、AIで容易に作ることができるため、メールのやりとりが長引くほど、深みにはまり、詐欺に引っかかってしまう可能性が上がります。
詐欺メールの具体例
- 経営陣を装ったメールで「緊急の資金移動指示」や「機密データの送付依頼」を行い、内部の経理担当者を騙して不正送金をさせる。
- メールに添付されたリンクから偽のログインページへ誘導し、IDやパスワードを盗み取る。
- 銀行や宅配業者を装ったAIチャットボットへ誘導。
- 偽カスタマーサービスへの誘導。
- マルウェアのダウンロードリンクへ誘導。
AIによるメール詐欺に備える理由

AIメール詐欺の危険性は単に巧妙さだけでなく、被害の拡大スピードや影響の深刻さにもあります。「緊急だからすぐ対応しなければ」という心理を突いてきますが、落ち着いて対応しましょう。
ターゲットを絞った大量攻撃が可能
AIの自動生成により、膨大なターゲットに対してそれぞれ個別にカスタマイズしたメールを送信できます。これにより、少数の標的に絞った高度な攻撃が大規模に行われるため、いままでよりも被害の拡大が速くなります。
従来のフィルターでは対応が難しくなる可能性がある
従来の迷惑メールフィルターは、あらかじめ設定されたルールやブラックリストに基づいて判定を行います。しかし、AIによって生成される詐欺メールは内容が巧妙かつ多様で、日々変化しています。
そのため、ルールベースの対策だけでは新手のメールに対応しきれず、正規の取引メールに偽装されたメッセージが企業内に侵入するリスクが高まります。
最新の脅威に柔軟に対応するためには、新種の迷惑メールを検知できる「サンドボックス型」セキュリティの導入が効果的です。
企業や個人への影響
• 経済的損失
• 信用の低下
• 法的リスク
AIを悪用した詐欺メールは、企業や個人に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
たとえば、従業員が詐欺メールにだまされてしまうと、金銭的な被害だけでなく、業務停止や顧客情報の流出といった二次被害にもつながります。また、個人情報保護法への違反などによって、企業が法的責任を問われるケースもあります。
さらに、AIによって自動生成されるメールは内容が日々巧妙化しており、従来の対策では見抜けないこともあります。
こうしたリスクに対応するには、最新のセキュリティ対策を導入し、継続的な教育や運用が欠かせません。
AIメールによる詐欺の代表的な手口

企業や個人を狙ったメールから始まる、詐欺の代表的な手口を一部ご紹介します。
CEO詐称型ビジネスメール詐欺(BEC)
経営幹部のメール文体ややり取りをAIが学習し、財務担当者に「至急、海外取引先への支払いを指示」などの偽指示メールを送信。
解説:
メールを信じ切ってしまった場合、数分以内に指示に従って送金が行われてしまうことが多いです。昨今ではAIがメールの返信まで自動で行うため、詐欺の成功率が大幅に上昇しています。
フィッシング詐欺メール
有名銀行やオンラインサービスを装い、ログイン情報やクレジットカード情報を入力させるために、偽サイトへ誘導。
偽サイトに入力した情報が盗まれる。
解説:
迷惑メールの代表的な手口「フィッシングメール」も、今後はAIが自然な文面を大量に作成します。さまざまなパターンの文面に騙されないよう、さらなる注意が必要です。
マルウェア添付型攻撃
メールに無害に見える添付ファイルを仕込み、開封時にマルウェアをダウンロードさせる。
マルウェアは一度感染すると、社内ネットワークに潜伏し、機密情報の窃取や業務の妨害といった深刻な被害をもたらします。
近年では、AIの技術を悪用してマルウェアの作成やカスタマイズがより高速・巧妙化しており、従来のパターン認識型の対策だけでは不十分になる可能性があります。
AIメール詐欺に対抗するための具体的な対策

AIを活用した詐欺メールから企業や組織を守るためには、多層的かつ最新技術を取り入れた対策が不可欠です。
1.メール送信者認証技術の徹底
メールによる詐欺に遭わないように、SPF(Sender Policy Framework)、DKIM(DomainKeys Identified Mail)、DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)を適切に設定し、送信元の正当性を検証します。
これにより、なりすましメールの多くをブロック可能です。設定がまだの場合は、すぐに対策されることをおすすめします。
2.サンドボックスを活用した高度なメールフィルタリング
サイバーウェイブジャパンが提供する「ダントツセキュリティ」や、メールのセキュリティ対策をオールインワンで実現する「CWJ Secure One(CWJ セキュア ワン)」では、サンドボックスを搭載しており、仮想空間でメールの添付ファイルをチェックしています。
疑わしいメールをリアルタイムで検出し、受信トレイに届く前に除外します。
3.多要素認証(MFA)の導入
パスワードだけでなく、スマホ認証やワンタイムパスワードなど複数の認証を導入することで、不正ログインのリスクを低減します。
4.インシデント対応体制の強化
万が一の被害発生時には、迅速な応急処置と原因調査を行うことが重要です。被害拡大を防ぎ、早期復旧を支援します。
詐欺メールの見分け方や、不審なメールに遭遇した際の適切なフローを徹底教育することで、人的リスクを大幅に減らせます。
AIを使用してメールの文章を作成し、模擬メール訓練を実施することも効果的です。
ダントツセキュリティで実現する、AI詐欺メール対策の最前線

AIが作成したメールによる詐欺や攻撃を「システムを利用して効率的に防ぎたい」方は、サイバーウェイブジャパンの「ダントツセキュリティ」の導入がおすすめです。
「ダントツセキュリティ」はメール誤送信対策や標的型攻撃の防止、ウイルス検知など、多層的なセキュリティ対策を一体化したサービスで、以下の機能が備わっています。
ダントツセキュリティの機能
- 添付ファイルの誤送信を防ぐ削除・上長承認機能
- AI技術を活用したサンドボックスによる未知のマルウェア検知
- URLの無害化やなりすましメールの分析で標的型攻撃を抑止
- 24時間365日の監視体制と迅速なインシデント対応
Microsoft 365やGoogle Workspaceをご利用の方は、既存のメール環境を変えることなく導入可能です。AI詐欺メールが巧妙化する今だからこそ、実効性の高い「ダントツセキュリティ」が強力な防御の一助となります。
メールシステムのご相談はサイバーウェイブジャパンまで

AI技術の発展により、メール詐欺はかつてないほど巧妙かつ高度になっています。企業が被害に遭わないためには、AIによる詐欺メールの特徴を正しく理解し、多層的な防御策を講じることが不可欠です。
サイバーウェイブジャパンでは「ダントツセキュリティ」をはじめ、「CWJ Secure On(セキュアワン)」や「セキュリティスイート」など、迷惑メールを防ぐためのセキュリティシステムをご提案しています。
メール送受信のセキュリティを自動化し、業務を効率化しませんか?
詳しくは弊社のコンサルタントが「無料ワークショップ」にてご案内しております。ワークショップは、参加しやすいオンラインミーティング形式を採用しておりますので、全国どこからでもお問い合わせください。

この記事のポイント
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1.AIによる詐欺メールとは?
AIが自然な文体で、詐欺メール文面を自動生成することです。AIは日々進化しており、人間と見分けがつかないレベルで巧妙化しています。
詳しくは「AIによるメール詐欺とは?」をご覧ください。
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2.AIが作る詐欺メールの特徴は?
- 高度で自然な文体
- 個人情報の活用によるターゲティング
- リアルタイムの自動応答ボット
詳しくは「最近のAIが作り出す詐欺メールの特徴」をご覧ください。
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3. AIが作る詐欺メールの被害を防ぐには?
- SPF/DKIM/DMARCによる送信者認証の徹底
- サンドボックスによる未知の脅威検知
- 多要素認証(MFA)の導入
- 社内教育と模擬訓練の実施
詳しくは「AIメール詐欺に対抗するための具体的な対策」をご覧ください。
メールや添付ファイル経由のマルウェア対策をお探しの方は、株式会社サイバーウェイブジャパンまでお気軽にお問い合わせください。


インターネットデータセンターの運用から、クラウドサービスの提供まで行う株式会社サイバーウェイブジャパン(CWJ)のWeb担当者。
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